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葉真中顕「絶叫」を読む

マンションで死後飼い猫に食い散らかされた女性の死体が発見された。

物語は過去に遡ってその女性の転落人生とその事件を追う女性刑事の捜索が交互に描かれる。

転落人生は余りにも暗く痛々しく、前に感想を書いた「友罪」に続いてえらい小説を選んでしまったと後悔し次は絶対痛快な小説を読むぞと決心した。

しかし、最後の方、さすがに面白くなる。

転落に転落を重ねた不幸な女性が到達した人格には意外に清々しさを感じた。

そして、最後の方で生きた状態で登場する極悪人にそこはかとなく諧謔性を覚えたのである。

世紀の奇書(と私は思っている)志麻永幸の「愛犬家連続殺人」の主犯(実在の殺人犯である)を彷彿としたほどである。

この作家、前作の「ロスト・ケア」でもそうであったように介護・福祉に造詣が深くそれが小説の現実性を裏打ちしている。

最後に用意されていたどんでん返しは予想の範囲であったがまあそれはよいだろう。

星3つ半。